イラクでの日本人 人質事件


正直言って驚いたのは、周囲(というかカミさんとその勤め先の意見だが)の多くや各政党の論調が「撤退すべきではない」と言うことだ。
無論、僕も撤退拒否派なんだが世の中的にはもっと「人命が最優先だ、自衛隊は即時撤退すべき」色だと思っていた。
もっとも、周囲の理由は「危険と分かっていて行ったんだから自業自得」ということらしい。うーん、それもちょっと違うんだよなー。

人命が最優先だからこそ撤退すべきではないのだ、拉致や誘拐というやり方は有効では無いことをテロリスト達に認識させなければならない。その手段が有効と分かれば今度は誰もが(イラクに限らず)何処で拉致、誘拐される恐れに晒されるのだ。

被害者家族の気持ちを察すると苦しくなる。自分の家族が被害者であれば同様に即時撤退の求めるだろう。陳腐な意見になるが、要はエゴなのだ。今の被害者である家族を守りたいために撤退を要求するのがエゴならば、次の被害者が自分や家族になる危険を少しでも減らして欲しいから撤退拒否を思うのもエゴなのである。

腹立たしいのはTVの報道姿勢である。
スタジオに被害者家族を呼出して「今のお気持ちは?」ってお前ら馬鹿か?
移動中の大臣に歩きながら「人命が最優先じゃないのですか?」って何の答えを求めてるんだ?変な失言を引出して騒ぎ立てようとしてるとしか思えない。

各局のスタジオに次々と登場する家族に揶揄の声が上がりそうなのも気にかかる。
それは無理な話だ、彼らはいかなる手段を使っても愛する家族を救いたいのだ「TVで訴えたからどうなる?」なんて計算がそのとき働くはずが無い。
TV局が彼らの弱った心理を利用しているに過ぎない。

不謹慎な言い分かもしれないが、これを機に報道のあり方を見直すべきかも知れない。